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2021.12.1 WED

「ジュエリーとは、人生を共にできるもの。」

松浦英次

自分自身が恥ずかしくないものを、世の中に送り出し続ける。
それを積み上げた歴史のことを、ブランドと呼ぶ。
パンツェッタ・ジローラモ氏を始めとする、
各業界の著名人も足繁く通うex'positionのデザイナー兼オーナー、
松浦さんにプロとしての在り方、ブランドについて伺った。

「天性」だと言われ、図に乗って。

高校までは茨城で、高校を卒業してアメリカのシアトルに行ったんですよ。シアトルの大学で知り合った友達のお父さんがジュエリー屋さんで、「就職先決まってないんだったらうちでどう?」って言われて入ったのが宝石屋だったんです。4年やって独立したんですけど、最初は宝石を海外に買付に行く仕事をしていて、それで卸してるときに知り合った小売店の呉服屋さんに、商品の販売をしてみたらどうだって言われたんです。石を買ってきて、デザインして作って売るっていうのが、なんかうまくいっちゃった。天性だって言われて。で、図に乗って商品を作るようになったんですよね。どうせなら自分のこだわりや思いをお客様に伝えたい。じゃあ自分で店作っちゃえって。それで場所を探して、自分の中にあるイメージ、デザインを形に出来る腕のいい職人もいたもんですから、店を出したんです。

ジュエリーの値段は、あってないようなもの?

ジュエリーってみんな「値段があってないようなもんだ」とかって言うじゃないですか。そんなはずはないんですよね。まず、こういうバングルを作るにしても、原型代、材料代、使う素材、シルバーとか金とか、それを使って形にするのにキャスト代っていうのがかかって、さらにその石を留めるのにいくらとか、職人さんもかなりの時間をかける。でもそういった材料工賃だけじゃない。結局デザイン描くのだって時間かかるし、たくさん描いて、お客様が気に入るのって1個か2個しかない。でもそこに費やした2日間、3日間というのもコストがかかっている。だけど、日本のジュエリーは似たデザインが多くて、考えたりデザインするっていうものの金額の基準がはっきりしなかったりもするじゃないですか。要は適正価格っていうのが非常に伝わりづらい業態だっていうことなんですよ。だからこそ、ブランドを立ち上げて、自分が作った商品を自分の考える適正な値段で売りたいっていうのがあった。

積み上げた歴史が、ブランドになる。

10年、20年やってきて、ブランドって歴史でしかないなって思ったんですよ。みんな簡単にブランドは作れるけど、結局歴史がないと本当の意味での「ブランド」にはならないんだなってことに気付いて。日本もジュエリーに関してはブランドってほとんどないんですよね。俺が知ってる範囲では数社。例えばゴローズさんはインディアンジュエリーを海外にいって勉強して、極めて、それをやり続けて長くやってるから価値観がついて、高くても売れるブランドになっていった。

ジュエリーとアクセサリー、そしてプロと素人の違い。

今はジュエリーのプロが必要じゃなくなってきてる時代でもありますよね、悲しいけど。素人でもパソコンでデザイン、形ができるから。ただ、そこでプロと素人の違いは、デザインしたままを形にはできるけど、強度が足りないとか、すぐ折れちゃうとか、厚みがこれぐらいないとダメとか、そういうのがパッと出るのがプロの仕事だと思ってる。やっぱり販売するプロ、製造するプロとして、すぐ壊れるものは売りたくないから。そのとき良ければいいやじゃだめだよね。そういうのじゃないもの、要するにジュエリーとアクセサリーの違いって修理ができるものがジュエリーで、できないものがアクセサリーなのかなって思う。長く使えるものがジュエリーで良いんじゃないのって。財産にもなるし、思い出にもなるもの、それを俺はジュエリーって呼んでもいいのかなと思う。洋服と同じで¥1,000とか¥2,000のTシャツは1年も2年も着ようとしないじゃない。でも¥10,000、¥20,000のちゃんとしたTシャツは長い間着るし、下手すれば破れたりしても縫って着たいと思ったりする。やっぱり、本物っていうか、それこそが価値なのかなぁと思うんだよね。

壁のサインは、自分への誓約。

お店の壁に著名人にサインをもらってるんだけど、その理由は長い年月掛けて信用を築いていくっていうか。直接店に来ないとサインはできないわけだから。俺もその人達にサインしてもらったって言うからには、うちが変なもの作ったり納品したりしたら、その著名人の方たちのランクを下げることになる。それは自分への戒めでもあるし、それが信用。その人達が安心して自分のジュエリーのメンテナンスを頼めるところ、オリジナルのジュエリーの制作を頼めるところなんだから、変なものはないだろうということ。イコール、高いものしかないんだろうって思うかもしれないけど、来てくれればそうじゃないのもわかるから。そういった意味でサインを書いてもらうようにしたんだ。

今回のコラボ商品について。

今回のコラボレーション商品であるバングルのデザインのポイントは、FEELCYCLEの象徴でもあるGEM、ブリリアントカットのイメージを聞いて、58面体のカットが入ってる石を入れたところ。男性も女性も付けられて、邪魔にならないけど存在感があるように。たくさんの人に喜んでもらいたいですね。FEELCYCLEに通ってるお客様もキレイになりたい、かっこよくなりたい、って美を追求したり、志が高かったり、ジュエリーもそういう存在だと思ってるんで、うちの商品と合ってるんじゃないかなって。

松浦英次Matsuura Eiji

1969年 6月生まれ
大学在学中に関わった宝石に携わり、宝石業界に就職、その後独立
1995年 創業
1999年 株式会社AGT 設立 代表取締役社長就任
2009年 原宿にて店舗 ex'position を開店(現在に至る)
現在、多くの著名人も顧客に持つ店舗に成長

知識と経験を活かしてオリジナルの商品からオーダー品まで幅広く提供出来ることが強み

OFFICIAL HP http://www.agtrading.co.jp
SHOP OFFICIAL HP http://exposition.jp
OFFICIAL Instagram
https://www.instagram.com/exposition_harajuku/

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